鉛筆の「ちょっとスゴイところ」

鉛筆の「ちょっとスゴイところ」
投稿 鉛筆組合 事務局

   先日、ある美大生が卒業制作で「色鉛筆」を作ろうと思っているが、なかなか軸の塗装がうまく行かないので、どこか実際に鉛筆を作ってるところを見せてもらえませんかと言ってきました。
以下、美大生(美)と組合担当者(担)の会話です。
(美) 「どうしたらあんなにきれいにできるんですか?」
(担) 「あなたはどういうやり方でやったんですか?」
(美) 「筆でペンキを塗ったり、直接ペンキを軸にかけてみたり…。でも、本当の鉛筆みたいに全然きれいにできないんです。」
(担) 「重ね塗りは、やってみましたか?」
(美) 「しました。でも塗りムラができて全然ダメです。」
(担) 「そうですねぇ。鉛筆メーカーには永年培ったいろんなノウハウがありますからね。
鉛筆工場では、軸の塗装に刷毛とか筆は使っていませんよ。さっきあなたがおっしゃったように刷毛の筋や塗りムラができるので、もっと均一に塗れる方法でやっています。」
(美) 「どうやっているんですか?」
(担) 「鉛筆組合のホームページにも写真が出ていますけど、工場では、穴の開いたゴムのヘラに鉛筆を通して軸に塗料を塗っています。塗るというより軸に着いた塗料をゴムのヘラでそぎ落としてながら均一な薄い塗膜を作ってると言った方が正確ですね。
そして、乾いてからまたこれを繰り返し、6~7回重ね塗りをしている。結構たいへんな手間がかかってるんですよ。」
(美) 「へぇ~、そんな風に作られてたんだ。何か漆塗りみたいですね。」
(担) 「今の説明でだいたいイメージできたたんじゃないかと思いますけど、どうしても見てみたいなら鉛筆メーカーさんをご紹介しますよ。」
(美) 「どうもたいへん勉強になりました。ありがとうございました。」
えんぴつの「ちょっとスゴイところ」の
                  紹介でした。
Photo:えんぴつ軸を塗装しているところ→

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